竹内結子

蘇る人たちのファンタジー「黄泉がえり」でヒロインを熱演

99年の連続テレビ小説「あすか」のヒロイン役を好演して以来、
テレビドラマでメキメキとその頭角を現し、今や新たな
”連ドラの女王”の感もある竹内結子。
99年の「ビッグショー〜ハワイに唄えば〜」以来となる久々の映画は
塩田明彦監督の「黄泉がえり」となった。

熊本・阿蘇地方で死んだはずの人々が蘇り、その周辺の人々の
悲喜こもごもを描いたこの作品。この蘇り現象の調査のため、
故郷に戻って来た主人公の平太(草なぎ剛)の幼なじみで、
同じ幼なじみの死んだ婚約者・俊介(伊勢谷友介)を忘れられずにいる
ヒロイン葵が、竹内の今回の役どころだ。


「(この役は)めちゃくちゃ難しかったですね。平太と葵がいて、
 このふたりは傍から見れば好き合っている。 でも、お互いに
 口に出してしまえる勇気がない。このままの関係を壊さなければ
 楽しいままいられるかもしれない。その反面、亡くした婚約者を
 引きずっていて。前に進まなきゃ、でも進めないというか。
 自分の身の置きどころがわからなくなったりもしました」

そんな中、頼りになったのは、やはり塩田監督の演出だったという。

「塩田さんの現場は、すごく不思議な感じでした。監督は、空気が
 柔らかくてすごくソフトなんですね。
 本当に大丈夫なのかなぁ?と疑問を感じるくらいに(笑)
 逆に、ふわっと風に乗せられてそのまま流れついてしまったような感じですね。 
 お芝居をしたという感覚もいつもに比べて少なかったような気がしますし。
 今思うと、あれこれ悩んだ末もう考えるのやめたっていう瞬間を
 待っていてくださったのかなって。 あの空気の中で監督にやれと言われたら
 『はい!』って、なんでもやってしまったような気がするんですよね。
 平太さんとケンカするシーンでは、草なぎさんのセリフの言い方が
 いちいち刺さってきたんですよ。 ホントに『ムカツク!』って思って
 ビンタをパチンとしたら、パチンを叩き返されて。
 草なぎさんも『痛てっ』と思ってやり返したとおっしゃってました。
 ここは、ドラマの中でも大きなシーンだったんですが、心身ともに
 痛いシーンでしたね」

故人を待つ人は必然的に年を取り、故人はその時のまま時間が止まっていて。

「お互いがそのすき間をどう埋めるのか、
 それが気になってしょうがなかったです。もし本当に蘇りが起こったら・・
 と考えると、意外に重いテーマかな」
 
と竹内。
ファンタジーの中にかいま見えるそのテーマも噛み締めて、作品を観てみたい。